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彼氏に内緒で合コンへ行ったのに。
「カズ、私」
「え? リサ!?」
その後、彼氏の家に行く私って最低。
家のチャイムを押して、インターホンに出たカズに来訪を告げると、慌てながらもすぐに部屋へ入れてくれた。
駅から離れた2DKのアパート。全然お洒落じゃなくてどこにでもあるような造り。そこがカズの家。
「リサ、どうしたんだ?」
リビングに入ってから、連絡もなく突然やってきた私に尋ねてくる。
「ごめんね、いきなり……」
「いや、いいけど」
見慣れた部屋には嗅ぎ慣れた匂いと座り慣れたソファ。
「ごめんね」
「別にいいけど……驚いただけだし」
聞き慣れた声と与えられ慣れた優しさ。
胸の底から罪悪感がこみ上げてくる。