って。
なに、テンション下がってんだか。
元彼が会社にいるとかじゃなくて、そもそも7歳差からして彼は私のこと眼中にないわけで。それに私、坂井くんにキュンッなんてしてないし。
「仕事は楽しい?」
「……はい」
「へぇ。パソコン好きそうだもんねー」
「すごく……好きです」
「――ッ」
赤い顔が嬉しそうに綻んで、満面の笑みで“好き”を伝えてくる。
もちろん私にじゃなくて、仕事が好きって意味だけど。
思わず目を奪われてしまい、息を呑む。
胸の奥が、キュンッ……じゃなくて、ドクンッと大きく跳ねた。
キュンッじゃないから恋じゃない!
……なんて屁理屈を言うほど子供ではない。
この胸の高鳴り、随分昔に味わった記憶がある。