一番最初に入って来たのは、三人の中で一番背が高く、色白のひょろりとした男だった。

私と同じようなカーキのワークパンツを履き、オレンジ色のTシャツを合わせている。

着る人が着たらお洒落に見えるのかもしれないけど……。


「もやしがにんじん着てる」

「高村さん?」

「ご、ごめ……また、独り言……」


自分もどうなんだ!っていう格好をしてはいるけど、さすがにその組み合わせは無い。

オレンジが鮮やかすぎる。しかも絶対私よりウエスト細い。


……ないないない!


あとの二人は……。


「……」


一言も挨拶をしなかった、ジーパンにチェックのシャツを着た男。シャツがクシャクシャではあるし、頭はボサボサだけど……まぁ許せる範囲。

でも、さっきから一切喋ってない。

愛想がないのは社会生活で何かと損をするし、出世しそうにないから家計が大変。

しかもちょっとオタクっぽい。……ないわ。

後輩の彼氏は論外だし。そうなると……。