まぁ、でも。

俺の体の心配をしてくれる
奴なんか
誰もいない。


親父は組のやりあいで。
お袋はその病院に向かう途中の事故で。

兄貴は族に没頭しすぎて、
ここ半年家には帰ってきていない。


だから俺は、一人だ。



両親が残してくれた遺産だけが
俺を支えている。


「…そろそろいくか。」


今日は、俺の学生生活最後の日だ。

『○○市立××中学校卒業式』