〜大橋亜夢〜

あたしは、あの日の夢を見た。

家に入り、リビングに行くと、あたしのお母さんが、血を流して倒れていた。
あたしは、すぐに駆け寄った。
「お母さん、お母さん、しっかりしてよ。大丈夫?お母さん返事してよ。」

すると、血のついた包丁を持ったお父さんが現れた。
「ウソ…でしょ」
すると、お父さんが
「ごめんな、亜夢、母さんを…」
何言ってんの?お父さん
私は泣きながら
「お父さんはお母さんのこと好きじゃなかったの?」
すると、お父さんは笑って
「好きじゃなかったさ」

はっ、またあの夢を…
あの夢を見ると、6時に起きる。
何であんな夢見るんだろう…あんなことが起きたせいで…人を信じれなくなったのに…

そう、あの夢は、本当におきたことなのだ。

あのあと、お母さんは、救急車に運ばれたが…助からなかった

そして、お母さんを殺した犯人のお父さんは、捕まった。

今どこにいるか、知らない。知りたくもない。

この6年間、1回も許したことはなかった。

6年の間に、あたしは、高校生になった。

最近、一人暮らしを、しようかなぁと考え始めた。

いつまでも、親戚に頼っていたら、向こうは迷惑だろうし…
そんなことを、考えながら、朝食を食べた。
そして、まだ寝てる人たちを起こさないように、高校へ向かった。
すると、後ろから
「よう、亜夢」
と言われた。はぁ…誰かは分かっている。龍太郎だ。
龍太郎は、幼なじみみたいなものだ。
それと、まだ人を信じていたときの、好きなひと、初恋のひとだ。

だけど、今は違う。単なる幼なじみだ。

あたしは、後ろを向き
「おはよう龍太郎」
と、だけ言い歩き出した。

でも最近、龍太郎の勘が鋭くなってきた気がする…

「お前、考え事あるだろ」
ほら、見事に的中。
長年いるからかなぁと考えながら
「何もありません」
とだけ言い、急ぎ足で、高校へ向かった。

でも、あの高校へ、行ったせいで…変わってしまった