「とりあえず、自己紹介からいこ」
1人の男子が口を開いた。
「うん!小野はち子です。よろしく☆」
「西村アリサです。」
アリちゃんは、はち子の親友のマキカの友達で、1年の時はたまに声かけてくれたりした。
だからなんとなく馴染みやすい。
「はちちゃんと同じクラスでよかった~。あんま知ってる子いなくてさぁ。」
「はち子もだよ~。よろしくね~。」
「俺は、坂口ゆう。班長やっていいか??」
自己紹介を提案した人は、ゆうというらしい。
茶髪で腰パンで、雰囲気はかなりチャラいけど、班長やってくれるなんて意外だな。
「まぢで?!さんきゅ♪」
アリちゃんがすかさず答えた。
「木田アイカでーす♪バドミントン部だよ。よろしくー☆」
アイカは見るからにテンションアゲアゲって感じだ。
男子からするとうるさいらしく、評判はかなり悪い。
まぁはち子はテンション高い子の方が好きだけどね??
「おい!!起きろってー!!宮田まぢKYにも程があるっつーの」
アイカが、はち子の隣の怖そうな人に怒鳴った。
どうやら宮田と言うらしい。
「あー??んだよ、うるせーな。宮田ナオトですよ。これでいいだろ」
何こいつ!!感じ悪!!
「まぁまぁ。ナオトは寝かせとこう」
坂口が言った。
見かけによらず温厚な坂口。
それに比べ、宮田はおそらく野球部だろうか髪は剃っているが、それ以外は坂口と同じような容姿なのに、中身は正反対だ。

あと一人は、異常に長身の鈴木くんという人。
口数少ない人だった。

なんだかんだで役割も決め、気が付けばりんこと家路についていた。
「はち子ちゃん、班はどんな感じ??」
「よくわかんないやぁ」
「まぁりんこんとこも馴染んでないよ。でも最初だし仕方ないよね~。意外と出会いがあったりして(笑)」
「ないない~。あんなんで好きな人なんてできるわけないし!」
「えーわかんないよぉー??」



この、りんこと交わしたなにげない会話が、まさか現実になるなんて……まさか思いもしなかった。