―4月7日
今日は始業式。
私、小野はち子が中学2年になる日。
そして、小野はち子の新たな始まりの日。


いつも通りの退屈な校長先生の長いお話。
せめてクラスくらいさっさと発表しろって感じ。
「今日は一段と長くない??」
後ろに座っていた葵が言った。
「うん。ダルいよねー」
葵は、はち子の中学での最初の新しい友達だった。
かわいくて勉強もできるし。
彼氏がいないのがどうも不思議だ。
でも、はち子も勉強面は誰にも負けない自信があった。
もちろん葵にだって負ける気がしない。

「…では、これで終わります。」
やっと話が終わった。
いよいよクラス分けのプリントが配られる。
葵と一緒だといいけどなぁー。

【2年2組小野はち子】

あった!
「はち子~、クラス別れたね~」
2組の欄に、葵の名前はなかった。
葵は1組。
「ほんとだぁ。んま隣だしっ」
葵は違ったけど、りんこが一緒だ。
りんことは小学校からの親友で、これでクラスが同じなのは8年目。
身長も体型もはち子と似ているらしく、双子みたいっ、とか言われたりもする。
はち子もりんこもかなり小さい。
背の順ではいつもはち子が負けるけど…。
今年こそ勝ちたい!

ざわざわしたままクラスごとに教室に入る。
知ってる人はほとんどいない。
隣の席は、なんか怖そうな人だし…。
嫌だなぁ。

こんなんで、クラスまとまるのかな…??




はち子の新学期は、不安とともに始まった。