私は、
急行に乗っていた。



夢と、
…真海と
さよならするために。



3つ目の駅で降りる。
冷たい風が、
私の背中を押した。



私を助け出してくれた。

私が、存在していた。
瞳に…映してくれた。



真海…



懐かしい匂いがする。



顔を上げた。



――――あぁ…



海に、


舞い降りる、雪。



そこは、
あの時見た景色だった。

真海と見た、
あの景色だった。


涙が溢れる。




――――君を、…



柔らかな、アルト。



――君を、白いままの君を…必ず受け止める――



あぁ…そうだったんだ…


真海は、ここにいたんだ。
私を、ここで…
受け止めてくれたんだ。



目を閉じた。



柔らかなアルトが、
響いてくる。



――必ず、君を…――



深く、碧く…
真海は、私を包み込む。


ここに、還ってきた。
真海…



深く、深く…
彼の中に還っていく。



ひとつになった
私達に、
白い花が舞い降りている。



永遠に、
舞い降りている―――