―――何かが聞こえた。



不意に。
何かが聞こえた。



窓の外には、



雪が降っている。



…あの声だ。



柔らかな、アルト…



確かに、
私に届いている。



雪が、




降ったら――――



「…っ」



目を逸らすことなんて、
できない。


私は、
どうしようもなく



とらえられているのだから。



教室を、


飛び出した。