立っていた。
青い傘をさして、
校門からまっすぐ延びた道の、
突き当たり…。


振り返る。
私をとらえて、
片頬にえくぼを作った。


私に傘を渡して、
ゆっくり、歩き出す。

その後ろをついていく。


何度も追いかけた、
その背中を見る。



雪の中を、
追いかけていた。



着いたのは、
この街の、古びた駅。
1番安い切符を買った。



駅員は、
上履きのままの私に
気付いていない。


改札を抜ける。


近い方のホームへ、
階段を降りる。



雪が、
一瞬だけ激しくなった。



見慣れた、背中。