今日も、
教室の窓に視線をやる。



乾いた風が、
窓を叩いていた。



「…雪が」



柔らかなアルト。



「…雪が降ったら…」



窓の外に、
雪が降りてきた。


「…約束してほしい。」



最初から、わかっていた。
私をとらえて、離さない。



窓の外。
青い傘が立っていた。



音をたてて、立ち上がった。
そのままの勢いで、
教室を飛び出した。



雪が降っていた。
校庭を抜け、
校門をくぐる。
白い霧を作りながら、
走っていた。



――――マサミ。