オシャレとか友達とか中学のときもやりたかっただろうな。
俺が雪とふざけ合ってる中、杏は1人で苦しがってたんだ。
「杏…よく逃げてきたな……」
こんな愛おしくて仕方のない杏の過去を思うと胸が痛くてたまらねぇ。
もうすぐ終わる夏休みももっと楽しませてやればよかった。
いろんなところに連れて行ってやれば良かった。
杏にとっても…俺にとっても高3の夏は今しかないのにな。
たぶん親父さんが落ち着くことはないと考えたほうが妥当だろう。
俺は杏に何をしてやればいいだろうか。
母さんに今日は帰らないとメールしてからシャワーを借りて杏の隣に体を寝かせた。