「あんたは杏の何?」

「私は透さまに依頼されただけで、それ以上の関係はありません」




 依頼…?





「透って?」

「依頼者の情報は漏らせません」

「…じゃあ杏に関わんないで?」

「無理です。ご依頼を引き受けたい以上出来かねます」




 冷静すぎて恐ろしいと感じてしまう俺はビビってるのか?


「杏の家まで嗅ぎ着いてる?」

「どうでしょうね」

「まぁ、いいや…。杏は俺が守るから」

「今日のところは手を引きましょう。私もそんなに野蛮なまねはしたくないんでね」




 そう言うと車の中に戻って行った男。






 車のランプがさっきより明るく光るとそのまままっすぐ走って行った。







 急いで俺も杏が向かった方に走った。