小学5年生夏―

あの時、私はテレビを見ていた。

大手芸能事務所『夢』というアイドル事務所。

私はその夏、デビューしていた『ドリーム』にハマっていた。

その人達のでる番組は、必ず録画。

それが、きっかけだった。

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「莉歌ー!」

とお母さんが呼ぶ。

私、坂口莉歌 (サカグチリカ)

至って普通の女の子。

「何ー!」

と私は返事をする。

「アンタが好きなのでてるよ。」

「えっ!…って、これ未来じゃん…。」

未来とはまだデビューしていない人たちのこと。

「でも、司会してるから見よ。」

結局見てしまう私(笑)

『今回は、関西で活動している未来達が歌ってくれます!』

『今、最も未来の中で人気の関西チームですよね!』

『そうです!皆さん楽しみにしててください!』

そして、会場が「きゃー!」と言う。

『それでは、未来の中のグループshadowが披露してくれます!』

『shadowで、「キミの中の僕は」です!』

と言った後、イントロが流れる。

『キミの中の僕はどういう風に見られてるのだろう?』

とグループの一人、向井康汰(ムカイコウタ)が歌う。

その時私は、こんなことを思う。

スゴイ歌が上手い!しかもカッコいい…。

ダンスも上手いし…。

心臓がドクンッドクンッと速くなっている。

顔も紅くなっていた。

と、私は見入ってしまう。

そして、私はshdowの向井康汰くんに恋をしていた…