瞬から薬を受けとって口の中に入れて水で流し込む。

生温い水が喉を通るのが分かる。
「わりぃ…」

瞬に肩をつかまれて立ち上がる。
視線を地面に向けたまま、目を閉じて深呼吸をして呼吸を整える。
「三上……」
「もう大丈夫…わりぃ…」
「お前」
「昔の事考えてた」

瞬が何か言おうとしたのを遮って口を挟む。

瞬の複雑な表情に背中を向けて歩き出した。

「あ〜あ……いつになったら苦しくなくなるんだろ」

空に叫んだ言葉に返事はない。ただ、2人の歩く音が聞こえるだけ。風が吹いて髪が揺れる。

心も揺れて…震えて…