不意に聞こえたその声に 心臓が飛び跳ねて、 那月くんで占領されていた あたしの視界が いきなりシャットダウンされた。 冷たい体温が 手首を伝って あたしの熱を冷やしていく。 「…なんでいんだよ」 「祐くん…?」 あたしの目の前は 祐くんの背中。 手首はきゅっと握って あたしの姿を 那月くんから隠すように立っている。 どうして…祐くん…? それよりさっき… 祐くん… あたしのこと ″俺の″って………?