妃奈side───



那月くんの息が
肩に当たってくすぐったい。


恥ずかしいのに
那月くんの体は
ぜんぜん離れてくれない。


「あの…那月くんっ、そろそろ行かないと上田先生が…」


「……そーだな」



そういうと
優しく体を離してくれた。


彼の顔を見上げると
頬が赤く染まっていて

水族館のときと
同じような…


でもなんか…寂しそう…?



「行くかっ」


口角をあげて
いつものようにニコッと笑ってるけど

なんか……


違うよ……。