「ふぇ?!?!」


誰もいない生徒玄関に
妃奈の声が響く。


俺は無意識に
妃奈の手首を掴んで

自分の胸に寄せていた。




妃奈の息が
俺の体にふれるたびに

鼓動が大きな音を立てる。




「あんま…煽るなって」

「…あ、あおる…??」

…。
伝わんねーよなぁ…。


「こーゆーこと。」


腕を妃奈の肩に回して
もっと自分に引き寄せる。


妃奈に触れるだけで
こうやって手が震える。


「…っ?!誰か……来ちゃうよ??」