俺みたいな奴でも
こんなに好きになれるなんて
正直思わなかった。
初恋…。貴重…だよな。
「那月くん、大丈夫??!」
「え、俺?」
「なんか…機嫌悪いから…先生になにか言われてたみたいだし…」
自分には鈍感なくせに
人のことは妙に鋭いのな…。
「俺もともとあいつ嫌いだからさ。妃奈のためと思ってついてったけど…邪魔してごめんな」
そういいながら
ブランドもののスニーカーを
下駄箱から取り出す。
つーか
妃奈がいたら…勉強どころじゃないし。
「あたし、那月くんが居てくれる方がいいんだけど…ダメかな……?」
目をうるうるさせて
首を傾げて俺の顔をのぞく。
理性…切れんぞ?