「ごめんなさいッ

ストーカーにつけられてるの!!

私に合わせて下さいッ」


……ッは?


ストーカーって…


俺は彼女の来た方向を見た。



が、既に誰もいなかった。



彼女が嘘をついているようには
見えなかったので、腕を引かれる
まま着いて来てしまった。



それから随分と歩いたと思う。
彼女は周りをキョロキョロと
見渡してようやく、掴んでいた
俺の腕を離した。



「ッあの、すみませんでした。

なんだか巻き込んじゃって…

本当にありがとう、それじゃ。」


そう言って車椅子に手をかけて
クルッと反対を向いたので、思わず
それを止めてしまった。


彼女は車椅子が動かないのに気づき、
びっくりした顔で後ろに振り向いた。






『それはないんじゃねーの?

人をこんなとこまで連れてきといて。』