「あれは別に未来のことを思ってしたんじゃないよ。残念ながらね」



「……え?」



「あの日、俺遅刻しかけてたんだよね。ってか、あのまま行ってたら完全に遅刻になってただろうけど」



あの日のことを思い出すかのように話すその口ぶり。



「それで、その時たまたまあんたを見つけた。それでラッキーって思ってさ」



「ら、ラッキー?」



「そう。未来を助けてたことを話したら、先生たちには悪いイメージを持たせることはないだろ?人助けで学校に遅れたんだから」



「ま、まさか!!」



「そ。おかげであの時は先生に怒られることもなく、逆に人助けをしてたことで周りにもいい印象を与えることができたしな」



「っ!じゃ、じゃあ!」



まさかの真実に、頭の中がクラクラする。



あたしを助けたのは全部、自分が優等生であるため!?



そんな姿にあたしは惚れたの!?




「まぁ、未来も俺のこと好きでいてくれてるみたいだし、今日から仲良くできそうだな」



何が『仲良くできそうだな』よ!!