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ん……?
周りを見渡し、あいつを探す。
「えっと……一ノ宮君、誰か探してるの?」
教室を見渡している俺に、クラスメイトが話しかけてくる。
「あ―……、弘也見かけなかった?」
なかなか今日は話すことが出来ず、放課後になって探したが、その姿が見つからない。
「あっ、弘也君ならチャイムが鳴ったとたんに教室を飛び出していったよ」
――『玲、俺。明日告白するから』
っ……
「ありがとう」
その女の子にいつもの笑顔を向け、教室の外へと足を進めた。
昨日はっきりと気付いた気持ちが、俺の足を速める。
渡したくない。
渡せない。
未来は……俺のモンだ。