あのままだったら俺……
未来のあの震えた腕を掴んで、そのまま……
髪をグシャッとして、ベットに倒れこむ。
「……諦める、か」
ボソッと呟いた声は、響くこともなく消えていった。
諦めるなんて、出来ない。
俺のことを諦めるなんて、未来に出来るはずがない……
ただ……
――『玲、俺。明日告白するから』
あいつなら、未来の気持ちを動かすかもしれない。
動いた気持ちは、きっと俺には戻ってこない。
あいつが……
あの未来の瞳が、俺じゃない男に向けられるのか……?
俺じゃない男に、あの髪を撫でさせて……
瞳を潤ませながら唇を重ねて……
そして心が震えるような笑顔で……他の男を誘惑するのか?
……そんなの、許さない。
……あいつが好きなのは俺じゃないと許せない。
――未来を渡したくない。