あれだけ警戒していたのに今じゃ完全に安曇のペースだ。

妖血とハッキリ分かった以上、敵対する関係ではないわけだし少し安心した。

だけど……

なんで安曇は私にこんなにも馴れ馴れしいんだろう?

まずそこから不信感を抱いたわけだから安曇もよく分からない奴。


それはまた後回し。


「あ、そう。じゃ、何の妖血なの?」

「美月ちゃんだからサービス。おれは天狗との妖血だ。」


天狗………?!

それなら、結衣が透視できなかったのも納得だ。


天狗は妖の中で最強の妖力を持つ妖。

いくら妖血とは言え、妖力はかなりのものだ。


「…………。」


安曇は相変わらず掴みどころのない笑顔。


「驚いた?じゃ、次は俺の番だね。」

「わかってる。話を聞く。」


まだ、少し驚きが隠せないが話を聞こう。

それが条件だったしね。


「本当に俺のこと覚えてない?」


え……?

安曇は今なんて………?

私と安曇は会ったことがあるの?