~教室~〈安曇 陵side〉
「あ~あ。やっぱり美月は覚えてなかったな。」
俺は一人ポツリ呟いた。
先程までいたクラスメイトは帰り、教室には俺だけ。
先程の言葉から推測すれば、残念そうに聞こえるが、そうでもない。
むしろその逆かもしれない。
おもわず微笑む。
「美月の能力を早く見たいな~。稀少種の妖血。」
ますます好奇心の溢れる。
「まぁ、じきに見れるな!楽しみだよ♪」
そう独り言を連発し、ふと窓から空を見た。
雲が太陽を隠し、辺りは灰色に染まる。
__タッタッ。
少し遠い所で、誰かの足音が響く………。