~休み時間~

『ねぇねぇ!安曇君はどこから来たの?』

「青森だよ。」

『嘘~!本州の最北端じゃん!』

『噂だと、青森から一人で来たんでしょ?』

「うん。この町にいるお爺ちゃんの家に住むことになったんだ。」

『すごいね~!!』

安曇君の周りに女子が集まり、質問攻めしている。


……やっぱり。

あの顔はモテるよね。

それにあの性格。

モテないわけがないよ。


「ねぇ、あそこに座っているのは……。」


安曇(勝手に呼び捨て)が一人の女子に質問した。


……って、指してる方って私!?

嘘でしょっ!?


『あぁ、あの人は永澤さん。運動神経抜群で皆の憧れ!』


__いいこと言ってくれるじゃん!

改めて聞くと照れるなぁ……


私の思考回路は褒められたことで一杯だったが、次の安曇の一言で理性が戻った。


「やっぱり!あの子が永澤美月ちゃん!」


……は、はい!?

なななな何で名乗ってないのに名前知ってるの!?


「……何で私の名前、知ってるの?」


いてもたってもいられず、安曇に聞いた。


「俺は君の事を知ってる。五歳の時からね。」

「……あんた、何者?」