「真由美!クレープ食べて帰ろう♪」

「あ、それいいね!」


帰り道。

賑やかな商店街の一角にあるクレープ屋に寄っていく事にした。


私と真由美の家は同じ地区。

帰る方向は全く一緒。

家って言っても私はマンションなんだけどね。


「いらっしゃいませ。ご注文は?」


いつも顔馴染みの若い女の店員さん。

優しく微笑んで、注文を聞く。

ほぼ、毎日の様にここに来てたものだから、顔を覚えられている。


「じゃあ私は、チョコバナナで!美月は?」

「う~んと、ブルーベリーチーズクリーム!」

「じゃ、俺は……ツナサラダで。」


……ん?
今、3つ注文が聞こえた……?


__バッ


振り返ると、そこには安曇がいた。


「あ、安曇?!なんでいるの?!」

「え〜と、美月の側にいたいから。」


何それ。あんたの彼女でもないのに。

本当に安曇の考えている事が分かんない。


……真由美はニコニコしながら安曇に御札構えてるし。


「……封印されたい?」

「遠慮しまーす。いいじゃん、俺の奢りにするから!」

「……今日は見逃してあげる。」


あ。急に機嫌直った。


そんなやり取りしてるうちにクレープが出来上がる。

約束通り、安曇が奢ってくれた。


「チッ。余計な出費したな……」


色んな事言ってる安曇だけど、きっと私の予想からすれば……


「ねぇ安曇、話があるんじゃないの?」

「……御名答。」


安曇が二カッと笑って答えた。

だよね。

じゃなきゃ、力使ってまで早く下校するはずないし。


「仕方ないなぁ。……家に来て。」


結局、私の家で話をすることになった。