思ったより、闇夜の行動は早かった。
もう、校舎の中にいるみたい。
「いいか、この校舎を使ってうまく奇襲するぞ。」
私たちを影に連れ込んだ、安曇が作戦を言う。
(ねぇ、結衣。闇夜は近くにいる?)
小声で結衣に尋ねる。
結衣には、人物を察知する力がある。
(はい。一人こちらにどんどん近付いてきます。)
なるほどね。
だったら、奇襲なんて小っさいこと言ってないで、私一人で行く!
私は、妖力を解放する。
__ブァと辺りに風が巻き起こる。
いつもの茶色の瞳は金色に変わり、
服装は制服ではなく、動きやすい全体に黒色の服装に変わった。
__真の私の姿。
私は、そのまま廊下をとびだす。
「み、美月さん?!」
結衣の慌てる声が聞こえた。
ごめんね、結衣!
でも、私なりにやりたい。
そして、私は自分で右の親指を噛み切る。
__ぽたっぽたっ と血が滴り落ちる。
その親指で空で横の一本線を描く。
すると、血はそのまま空に残り、光を放った。
「美月?!」
安曇は見たこと無いもんね…。
すごく焦ってるみたい。
「大丈夫!見ててっ!」
私は、光を掴む。
__私の手には、一筋の日本刀が。
これは炎華(エンカ)。
私の愛刀にして、闇夜を狩る為の刀。
「いつでも来なさい!」
私の澄んだ声が廊下に響き渡った。