『自分の番が来た』

自覚した時には既に手遅れだってことくらい、もう子供じゃないんだから皆は分かってる。


ある日突然、イジメられっ子になったらどうする?


聞こえない陰口でうるさい居心地の悪い学校になんか行きたくなくなるけど、

ズル休みしたら余計に次の日から教室へ入りづらくなる訳で、変な勇気が働きやがって引きこもる選択肢すらなく現実逃避もできない。


わざわざ早起きして、誰も挨拶してくれない世界へ飛び込み、たまに棒読みな社交辞令だけ交わしてもらえて、

『アタシって友達居ないんだな』って、自ら確認しに行って、

精神的苦痛を味わう罠にはまってしまうんだ。



とりあえず休み時間がナチュラルに地獄だ。


他の組の子たちに一人で歩くのを見られる移動教科は拷問だし、

チーム決めで余る光景を無関係な男子にまで冷笑される体育は呪いだし、

登校拒否したい生徒に気づかない、またはコトナカレ主義な先生は悪魔だし、

相談に乗るフリをして笑顔で騙してくる元親友は鬼だし、

ほとんど絡んだことないレベルなのに安易に噂を信じるクラスメートは敵だし、

誰にも庇ってもらえない関係しか築けられてなかった嫌われ者のイジメられっ子の自分は生き霊だし、

家に帰ったって我が子が何も言えないならピンチを悟れない親は妖怪だし、


なんかもう青春キラキラ計画が失敗して、最悪な屈辱を毎日プレゼントされるらしい。



高校デビューなんて夢見がちなこと考えない方が賢いと思う。

『出る杭は打たれる』をリアル語に訳すと、『オシャレっ子はハメられる』がしっくりするって分かる人は、

もしかしたら、心が疲れているのかもしれない。


そして、ここまでが意味不明でハテナな子はまだまだ純粋、奇跡の逸材、

大人にならない方がいいのかもしれない。