彼に見とれていた私は、
まだドアの前でたっていた。

「よ~し、お前ら。今から本の整理をしてくれ。
その間に先生は別の用事があるから、
相川と桜川の2人でやってくれ。
おわったら帰っていいぞ。」

そう言い残して
鬼は出て行ってしまった。


.....


なにこの空気。
沈黙。
喋ることがない...


そうおもっていると、
「お前が桜川?」

話しかけられた。

「そーだけど...なんで知ってるの?」


私がそう聞くと、

「さっき鬼が言ってただろ。」


あ、そういえばそうだった。

「そうだったね。ごめん...」


「お前って、天然だな。」

ん?私が天然?

「私、別に自然っぽくないし、
森とか川なわけでもないし....
どこが、天然っぽいのかなぁ?」

「それが天然って言うんだよ。」

彼は笑いながらそう言った。

よく意味はわからなかったけど、
話せたから、まあいいとしよう。

あ、そういえば....

「あの....なんて呼べばいい?」


「塁。俺の名前塁だから。」


るい....かっこいいなぁ。

「お前は?」


「へ?」



「へ?じゃねーよ。お前のことなんて呼べばいいんだよ。」


あ、そうゆうことか。

「私は桜川絢っていうから、自由に呼んでいいよ。」


「じゃあ絢な。」

ドキッ///

自分の名前を、
呼び捨てで呼ばれるのは初めてで、

不覚にも、緊張してしまった。