「チッ。うるさいなぁ。」

「え?」

今、どさくさに紛れて何か言わなかった?

てか、舌打ち?

「だから、うるさい。少しは黙ったら?」

「.....。」

レンは冷めた視線を私に送る。

この子誰よ?

「レンっ!!」

???

私でもレンでもない可愛い声が聞こえる。

「チッ。もう気づいたの.....。」

レンが何か言ってるけどよく聞こえない。

「アリスを離せっ!!」

「っ!!」

私でもレンでもない可愛い声の持ち主。

それは....

「レンがもう一人!!?」

レンにそっくりな男の子がそこにいた。

「アリスの目は節穴?アイツは僕じゃないよ。よく見なよ?」

.....。

何かムカつくけどそこは我慢。

私はレンに言われた通り男の子をよく見てみる。