どれくらい時間がたったのだろう。


あれから一度もこの部屋に誰も来なかった。


そして外から聞こえる多分戦争の音。


爆音。

人の罵声、悲鳴。


怖い。

この世界が怖い。


私は耳を塞いでうずくまる。


誰か....

誰か助けてよ。


「アリス!!」


「っ、リン。」


顔をあげるとそこには息を切らしてこの部屋に入ってきたリンがいた。


「ごめん。油断してた。アリス、大丈夫?」


申し訳なさそうに顔を歪めて私を見つめるリン。


「大丈夫だよ。だからそんな顔しないで?」


私はリンの頬に触れてリンに微笑む。


「そっか....。」


リンは安心したように笑うと私を立たせる。


「さぁ、行こう。この戦いも終盤だよ。」


「え?ちょっ。」


リンに腕を引かれ走り出す私。


「アリス、運命てなんだろうね?」


前から聞こえるリンの声が切なげにこの大きな廊下に響いた。