ハンナさんいわくこの世界が二つに別れてしまうのは魔法を使える存在が二人もいるからだとか。
だからこの戦争でどちらか一人に絞ってしまえばこの世界は一つの世界になるのではないか....と。
でもさ....
でもだよ?
「それは物騒だよ。もっと他に方法は....」
「ないからこうしてるんだ。今までいろんな手は打ってきた。」
反対しようとした私の言葉をセイヤさんが否定する。
「.....っ。」
戦争なんてしたくないよ。
レンたちと戦わなくちゃいけないんでしょ?
「それに今しかないんだ。」
「へ?」
今しかない?
今のセイヤさんにはいつもの落ち着いた空気は感じられない。
少し焦っているように見える。
「赤の女王は今、前回のアリスがかけた呪いに苦しんでいます。ですが、もうすぐその呪いは解ける。だから、その前に倒しておきたいのです。その方が楽ですし、何より勝算が高い。」