「アリス、お茶だよ?」


ぼーっとする私にそう声をかけてきたのはリン。


リンが持っている紅茶は本当にいい香りがして美味しそう。


この世界に来てどれくらいたったかわからない。


でも私はこの不思議な世界になれたし、この世界についてもだいたいわかった。

それだけの月日はこの世界にいたんだと思う。


「ありがとう。リン。」


リンが淹れてくれた紅茶を飲む。


今のワンダーランドは白が勝ってる世界。

リンたちの方が強い世界だ。


ちなみにレンは赤だって。


リンとレンは双子なのにどうして色が違うんだろう?


「平和だね。」


「うん。」


本当に平和。

ここに来たときはなんか物騒なことが起こりそうな感じだったけどそんなことはない。


今日も平和でねむねむ。


「ふわ〜。眠いし、お昼寝しようかな〜。」


ゆっくり歩き出す私が向かうのは木陰。


「おやすみ、アリス。」


リンの優しい声が後ろから聞こえた。