「.....。」


「異変に気づいたか?アリス?」


巻物をまじまじと呼んでいる私に声をかけてきたのはセイヤさん。


「アリスが現れるのはワンダーランドに何かあるとき。でも今のワンダーランドはとても平和だ。そしてアリスとしての記憶がないこと。」


「何か裏で起こってるとしか思いませんよね。」


大人組のセイヤさんとトオルさん。

二人のオーラはピリピリだ。


「アリスは記憶がないの?」


「前の事件のことも覚えてないの?」


不安そうに私の腕を掴むのはウミとリク。


「あっあのさ!!実は私はアリスなんかじゃないんじゃないのかな?」


そうすればつじつまがあうと思う。


私がアリスじゃない→記憶なんて持ってない→もちろん事件は起きない。


「いや、アリスは間違えなくアリスだよ。」


リンは真面目な顔で私を見つめる。


「なっなんでそんなこと言いきれるの?」


リンの真剣な瞳に吸い込まれそう。

上手く喋ることが出来ない。