「アリスっ!!」

レン似の男の子は私を支える。

「大丈夫?」

私を心配そうに見つめる男の子。

「うっうん。」

「よかったぁ。」

男の子は、私の答えを聞くなりほっとした感じで笑った。

「行くぞ。リン、アリス。」

綺麗な男性は私たちに声をかける。

「うん。」

私の腕を掴み歩き出す男の子。

「待って!!レンは?」

「レンならもういない。」

綺麗な男性が指差す方を見る。

本当だ.....。

さっきまでレンがいた場所にはもうレンはいなかった。

「アリス、お帰り。」

男性は私に微笑む。

「え?」

お帰り?

「アリス、みんながアリスを待ってる。僕も待ってた。」

男の子も私に微笑む。

....。

この人たち勘違いしてる。

「私、アリス何かじゃないよ?人違いです。」

「「......。」」

二人は黙って私を見つめる。

それは、それは不思議そうな顔で。