あ.....

瞳が違う。

あの子の瞳は青色だ。

あとは全部一緒だけど......。

「アリスは渡さないよ?」

レンは挑発的に笑う。

「そこまでだ。レン。」

低い声がこの森に響く。

私たちの前に現れたのはお洒落な帽子を被った綺麗な男性。

「帽子屋....。」

レンの顔が歪む。

帽子屋と呼ばれた綺麗な男性。

中性的な顔立ち。

切れ長の紫がかった黒の瞳。

さらさらの黒く輝く髪。

綺麗。

まさに綺麗がぴったり合う。

そんな綺麗な男性はこちらに歩み寄ってくる。

「チッ。」

「わっ!!」

舌打ちをすると私を投げたレン。