「え、ちょっ……なにー!?」

後ろからかかる吐息が酒臭い。

私の顔から血の気が引いていく。

「……ちょっ、瑠美〜!!」

お菓子を食べ漁る瑠美に救難信号を出してみるけど、

グッ!!と力強く親指を立てられただけ……。

ちょっ、待って!!

実は兄ちゃん、めちゃくちゃ酒癖が悪いんだよね。

だから、家では絶対に飲ませないようにしてたのに。

瑠美、酒飲ませたでしょ!?

責任取ってよ〜!!

兄ちゃんの腕の中から抜け出そうと必死にあがいていると、




――…ピンポーン

客人の来訪を告げる玄関チャイムが鳴った。