だけどあたしはその違和感に気付かないままに、

「あ、そうなの?」

と答えて解説を始める。


「この霊樹の中心……ってか芯は人の魂、枝葉は鬼でできてるの」

「……へぇ?」

「人の魂って言っても、生前に鬼と関わったり霊力をもっていた人の魂が芯になるんだって」

「…………………」

「芯となる生前に霊力を持ってた人の魂に『護り手』の力――

―――つまり、鬼を少しずつ浄化する力を与えて。

……そしてその周りを鬼で固め、鬼を枝葉の形へ成形する。


ちなみに霊樹が大量の霊力を蓄えて千年も立ち続けるのは、

『芯』になった人の魂が鬼を浄化する時にエネルギーが発生して、それが霊樹を守るからだよ」


…………ってまぁ、この話は全て父さんからの受け売りだけど。