耳に残る甘い声も、
名前を呼ぶその声も、
触れた手の温もりも、











「 気長に待つ、とは言ったけど
  その間もきっと俺は君に会いに行くし
  自然と君に触れてる 」






忘れられるわけがなかった。
そんなこと最初から分かっていたのに、






出会ってから今までの中での後悔は
君から一瞬でも離れようと思ったこと。






「 ・・・待つよ、待つけど
  ・・・絶対に離さないよ 」






正確に言えば”離せない”。
相変わらず驚いた顔で彼女は
俺を見上げていた。