……でも、確かに大雪の中を3時間以上もかけて無事に帰るのは難しい。
それこそ、なにかあったらまー兄が黙っていない。
『と、とりあえず、暁に相談してみるね。また連絡する』
『うん、分かった。暁くんにもよろしくね』
ママとの電話を切り、まずは今の雪の状況すべてを暁に話した。
「……マジかよ、もうこんな積もってんのか」
窓から外を確認した暁はそう言って、困ったように頭を抱えた。
「今朝もそんなに雪は降らないって言ってたのにね……」
「あぁ。もっと用心深くしとくんだった」
「……雪の中でも走れるチェーンとか、ないよね?」
「あぁ」
……やっぱり、この場を切り抜けるにはこの方法しかない。
私は覚悟を決めて口を開いた……。