るいさんの中では、まだ暁への気持ちを終わりにすることはできなかったのかもしれない。



……それが恋愛感情の好きじゃなくて、人間としての好きだとしても同じこと。



やっぱりずっと自分のそばにいてくれた人が、急に離れてしまうのは心が追いつかない。



私もパパとママが離婚したとき、やっぱり離れ離れになった最初の頃はどうしようもなく寂しく心に穴が空いた感じがした。



「るいさんにとって、暁はそれくらい大事な人ってことだね」

「それでも、俺が大事にしたいのは心優……おまえなんだよ」

「……それは、私も同じだよ……」

「なら、なんで泣いてんだよ……」



……あれ?

ほんとだ……私、泣いてる。



目に浮かぶ涙を拭い、なんとか曇った視界を晴らせようとした。