るいさんはそう言うと、私の目を見たあと「ごめんね」と深く頭を下げた。
「もう、ちゃんと諦めるね!」
「……」
「最後の悪あがきさせてくれて、ありがとう」
暁にも頭を下げたるいさんは、そのまま私たちに背中を向けて歩いていった。
るいさんの姿が見えなくなり、暁が隣に座ってきた。
暁とは後夜祭でケンカっぽくなってしまったから、どういう顔をしていいか分からない……。
そんな私の気持ちを分かってなのか、暁から口を開いてくれた。
「本当は、るいから相談の話は一切なくて……寄りを戻したいって言われた」
「……それってさっき電話があったとき?」
「あぁ」
「るいさんが、もう一度暁と付き合いたいって言ったってことだよね……?」
「あぁ」