……だけど、その願いは神様に届いた。
後ろから伸びてきた手で耳を押さえられたことで、るいさんの声が聞こえなくなった。
誰……?
そう思って後ろを振り向くと、そこには暁がいた。
突然の暁の登場に、るいさんも口を閉じた。
ゆっくりと私の耳から暁の手が離れ、そのまま肩に手が置かれた。
「それ以上言うな」
暁の低い声。
……また、暁を怒らせてしまった。
「暁が怒ってるの珍しいね……?」
るいさんが本当に暁の怒っているところを見たことがないのか、慌てたようにそう言った。
この暁が、怒ってるのが珍しい?
なんなら、不機嫌なときの方が多い気がするんだけど……。