……どっちも私の本当の気持ち。



だけど、なにが正解か分からないから困ってる。



すると、るいさんは口元を手で押さえながら声を出して笑い始めた。



「私から暁を奪っておいてなに言ってんの？」



るいさんは、さっきまでの優しいお姉さんな感じはなく……赤の他人を見るような目になり、声が低くなった。



るいさんの目や口、すべてが笑っていない。



え……？

これ、るいさん……？



「なに？これが普段の私だけどなんか文句ある？嫌いなやつにニコニコするほど無駄なことってないでしょ？」

「……嫌いなやつ……？」

「ひとの彼氏奪った女のこと好きな人っていないでしょ？あなたがいなかったから暁は今も私のそばにいてくれたの」