それから子犬のような男の子は、自然に私の隣に座った。



さすがに距離が近いのは不安になってしまったので、気づかれないように距離を空けた。



だけど、男の子は話を振るのが上手で、私は時間も気にせずに他愛もない話をベンチに座って話していた。



ふと、暁のことを思い出した。



……そういえば、暁まだ戻ってこないな。



ポケットに入っているスマホで時間を確認する。



暁がるいさんのところに行ってから30分が経っていることに気づいた。



「そういえば、今日は彼氏さん来ないの?」

「あ……彼氏も、同じ学校なんだ」

「えっ、この高校ってこと?!」

「うん」



話しているうちに、私は敬語からタメ口に変わっていた。