「大事にするね……っ、学校にもつけてくね……っ」

「あぁ」

「うう……っ、あぎ、ずぎだよぉ……」

「分かったから、とりあえず泣きやめ」



泣きすぎて「暁、好きだよ」って言ったのが、ちゃんと伝わったのかは分からないけど、とにかく私は涙が止まらなかった。



暁はそんな私の隣に座り、片腕で自分の胸へ引き寄せると、私を優しく抱きしめた。



暁の心臓の音が聞こえる……。



とても心地いい。



暁のムスクの甘い香りが鼻をかすめ、温もりも加わり安心する。



暁の腕の中ならずっといられるかもしれない……。



そんな変態のようなことを考えながら、少しずつ気持ちを落ち着かせていった。



そして、1階から「心優ー!ケーキ買ってきたから、みんなでお祝いしようー!」とママの声が聞こえた。



暁から離れがたい気持ちを抑えながら、なんとか離れた私。