用意が終わり外に出た。
「なにが食べたい?」
<なんでもいいよ。>
悠介を困らせる返事をしているってわかって
いてもあたしは外食なんて初めてだし
なにが美味しいとかわかんなかった。
それに気付いたのかわかんないけど、
悠介は一生懸命考えてくれた。
「パスタとかどう?美味い店知ってんた。」
<うん!パスタ食べてみたい!>
「じゃ、行こっ」
そう言い悠介はあたしの手を引っ張った。
店に着いた。そこはすごくオシャレで素敵な
お店だった。店員と親し気に話している悠介。
知り合いなのかな~
「愛、こいつ俺の兄貴」
え、きょ、きょ、兄弟?
言われてみれば悠介にどことなく似てる。
ん?お兄さんが先に生まれてるわけだから
悠介がお兄さんに似てるのか。
ってこんなこと考えている場合じゃない。
あたしは急いでペンと紙を出した。
<初めまして。愛です。すいません。
声が出ないので・・・>
「悠介の兄の圭介。よろしくな。」
そう微笑んだ圭介さんは優しかった。
席に案内され食べる物を考えるも
たくさんありすぎてなにがなんだか
わかんなくなり悠介に任せることにした。