そーか、ならあたしがそこで優しく話しかけて仲よくなるという作戦にしよう。
あたしが正に席を立ち彼の所に向かおうとした時だ。
しかし、
「よぉ?不登校さん?元気にしてたぁ?」
「お前今まで何してたの?つーかいじめたくらいで登校拒否とかまぢねぇゎw」
二人の男子があたしよりも早く彼の所に近づいていたのだ。
「・・・。」
彼は無言のまま顔を上げようとしない。
・・・どうゆうこと?
皆の雰囲気も先ほどみたいに明るくはなく、暗く重い雰囲気と変わった。
その後、その男子達は彼のことをずっと非難し続けてた。
あたしはというと、茫然と立ちすくんで彼らの会話、いや彼らのやりとりを聞いていた。
信じられない・・・。不登校だけでなくいじめられていただなんて・・・。
「さっきから無視してんじゃねーぞ!!!!!!!!」
ふいに怒鳴り声がした。その後には骨の当たるゴツッという嫌な音。
怒声を上げた男子が彼を一発殴ったのだ。
そして片方が羽交い絞めをし、もう片方が彼をひたすら殴っていた。
あまりにショッキングで、何というか・・・。
もう見てられなかった。
だからなのか?
―――――――・・・何故かあたしは次の瞬間、彼のことをカバっていたのだ。
ゴツッ。
「ひぇっ!!」
殴った奴の小さな悲鳴が聞こえる。それもそのはずこのあたしが殴られたのだから。
痛い・・・。殴られるのってこんなに痛いんだ・・・。
相手は本気で殴ったせいかあたしはそのまま気絶した。