沙希の態度の変化に戸惑いながらも、ほっとした気持ちで席に着く。
その瞬間、鋭い視線を感じて窓際を振り向いた。
朝の陽差しを背中に浴びながら窓の前に立っているセイジュと目が合う。
セイジュの瞳を見て、昨日の放課後の出来事が次々と頭の中を駆け巡っていく。
レンの花の香り。
抱きすくめられた時のセイジュの腕の強さ。
吸い込まれそうに美しい―
セイジュの、蒼の瞳。
セイジュの瞳は何を考えているのか、全く読めない。
彼の瞳は何も語らないまま、ただ私を見つめていた。
もう、この瞳に怯(ひる)むもんか。
私の本能がそう叫んでいた。
「セイジュ、話があるの」
セイジュの瞳を真っ直ぐに見つめてそう言った私をセイジュは少しの間、黙視し続けた。
そして朝陽の中で微かに顔をほころばせると「わかった」とつぶやいた。
陽の光が反射してよく見えなかったけど。
彼の笑顔は柔らかだった。
セイジュがわからない。
私はその一瞬の笑顔にどう反応していいのかわからずに、その日の放課後を迎えた。
その瞬間、鋭い視線を感じて窓際を振り向いた。
朝の陽差しを背中に浴びながら窓の前に立っているセイジュと目が合う。
セイジュの瞳を見て、昨日の放課後の出来事が次々と頭の中を駆け巡っていく。
レンの花の香り。
抱きすくめられた時のセイジュの腕の強さ。
吸い込まれそうに美しい―
セイジュの、蒼の瞳。
セイジュの瞳は何を考えているのか、全く読めない。
彼の瞳は何も語らないまま、ただ私を見つめていた。
もう、この瞳に怯(ひる)むもんか。
私の本能がそう叫んでいた。
「セイジュ、話があるの」
セイジュの瞳を真っ直ぐに見つめてそう言った私をセイジュは少しの間、黙視し続けた。
そして朝陽の中で微かに顔をほころばせると「わかった」とつぶやいた。
陽の光が反射してよく見えなかったけど。
彼の笑顔は柔らかだった。
セイジュがわからない。
私はその一瞬の笑顔にどう反応していいのかわからずに、その日の放課後を迎えた。